ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

アザレアホール 御所市立図書館・御所市文化ホール

ここから本文です

  • ブログ
  • 2025.12.16

大盛況御礼!「直木賞作家・澤田瞳子さん講演会」

大盛況となったイベント『直木賞作家 澤田瞳子さん講演会「歴史小説の作り方」』。
当日はたくさんの方にご来場いただき、大盛り上がりのイベントとなりました。
12月14日(日曜日)午後より開催されたその一大イベントの模様をお届けします!

本イベントは直木賞作家の澤田瞳子さんによる講演会。
図書館でも人気の歴史作家さんということもあり、チケット申込開始時から参加予約が続々と集まりました。
当日は100名以上の参加があり、講演会にサイン会にと大盛況のイベントとなりました。

直木賞作家・澤田瞳子さんは緻密な時代考証で知られる歴史作家

澤田瞳子さんは2010年に『孤鷹の天』(徳間書店)で小説家デビュー。翌年に同作で第17回中山義秀文学賞を最年少受賞し、歴史作家として華々しいスタートを切りました。
さらにその翌年には『満つる月の如し 仏師・定朝』(徳間書店)で第2回本屋が選ぶ時代小説大賞、13年に第32回新田次郎文学賞を、15年に『若冲』(文藝春秋)が第153回直木賞候補に選ばれ、16年に第9回親鸞賞を受賞。21年には『星落ちて、なお』(文藝春秋)が第165回直木賞を受賞しました。

そんな数々の賞を受賞されてきた澤田瞳子さんは、大学で奈良仏教史を専門に研究を行っていた知識を活かし、『火定』、『龍華記』、最新刊『梧桐に眠る』など奈良を舞台にした小説を多く執筆されています。

専門知識を活かした緻密な時代考証と丁寧な筆致で知られる澤田瞳子さんの著作は、歴史小説を中心に、エッセイや紀行文など多岐にわたり出版されています。

「面白い」「興味深かった」と好評だった講演会『演題「歴史小説の作り方」』
小説と歴史学との関わりから読書体験まで語る

講演会は「歴史小説の作り方」と題し、澤田瞳子さんの緻密な時代考証を経た小説がどのようにして生み出されてきたのか、歴史学との関わりからデビューの裏話、さらに読書体験や思い出話まで、澤田瞳子さんの本との関わりについてお話しいただきました。

最初にお話しいただいたのは幼少期から学生時代までの読書体験について。
時代小説家の澤田ふじ子さんを母に持つ澤田瞳子さんは、「本でも読みなさい」と言われることの多かった子ども時代に、児童書だけでなく一般書も多く読まれたそうです。
そして歴史の奥深さに触れた学生時代には、歴史小説の面白さに夢中になり、その後の澤田瞳子さんの作家人生に影響を与えた授業があったという話も。

澤田瞳子さんと言えば歴史小説の印象が強いものですが、作家としてのデビューはエッセイでした。
その後、当時の担当編集者さんとの縁で奈良時代を舞台にした小説『孤鷹の天』を出版。第17回中山義秀文学賞を最年少受賞し歴史小説家としてのスタートを切ることとなりました。

しかし第17回中山義秀文学賞が開催された2011年は東日本大震災のあった年でした。主催の福島県白河市は「こんなときだからこそ文学に力を入れなければ」という思いで開催したそう。
その熱意に胸を打たれた澤田瞳子さんは「この思いを背負って作家として走り続けなければ」と作家として折れることなく現在まで活躍されています。人と小説の縁、その温かい絆を感じられるエピソードでした。

さらに、歴史小説と歴史研究との関係についても熱く語られた澤田瞳子さん。
歴史小説は「歴史の入り口」であり、「翻訳小説」であり「ミステリー(謎)」・・・。
歴史小説を書くにも架空のものだけでは成り立たない。しかし現代の読者に届けるためには、言葉の選択も必要である。など、歴史小説の執筆における難しさや歴史学との補完性などについて語っていただきました。

学生時代の澤田瞳子さんがそうであったように、教養本も小説も、何かを「知ること」の「入り口」であり、それはときに人生に深みを与え、温かい縁を結ぶ。
本と人との絆というものを澤田瞳子さんの思い出や作家としての姿勢を通して感じ取ることのできる講演会でした。

当日限定サイン会を実施

講演会終了後は澤田瞳子さんによるサイン会を開催。
ねこちゃんマークがかわいい澤田瞳子さんのサインに、皆さん大喜びです。

大盛況となった「直木賞作家 澤田瞳子さん講演会」。講演会後もたくさんの好評の声をいただいております。
多くの方に喜んでいただけるイベントとなり、図書館としても嬉しい限りです。
たくさんのご来場ありがとうございました!